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ドクター登場!菱澤 美貴医師(神経内科) 認知症

今春、着任された京都大原記念病院の菱澤 美貴医師(神経内科)のコラムをご紹介します。

認知症

2018(平成30)年の日本人の平均寿命は女性が87.32歳、男性が81.25歳と日本の高齢化は加速しています。また、65歳以上の認知症高齢者数と有病率の将来推計についてみると、2012年は認知症高齢者数が462万人と65歳以上の高齢者の約7人に1人(有病率15.0%)でしたが、2025年には約5人に1人になるとの推計もあります。

さらに認知症の前段階である軽度認知障害(Mild Cognitive Impairment; MCI)の有病率は約13%,有病者数は約380万人であり、これは高齢者の4人に1人が認知症あるいはMCIであることを意味します。そして要介護認定を受けた方のうち、介護が必要になった主な原因として認知症が18.7%と最も多く次いで脳血管疾患となっています。

認知症の50~75%はアルツハイマー型認知症に起因します。その診断は、病歴、家族歴、教育歴などの問診と一般身体所見と神経学的所見による診察を行い、まずは認知症の有無や症状、重症度を把握します。そして、認知機能検査や画像診断、血液検査などを行って認知症の病型を診断していきます。

認知症の中には治癒しうる認知症というものがあります。これら検査の過程で外科治療が対象となるもの、炎症の病気、ビタミンやホルモンの病気、内臓の病気などによる認知機能障害ではないかということを診断していきます。これらの治癒しうる認知症は経過が早いことが多いです。まずはご家族が「もしかして、認知症かも?」と思ったらかかりつけの先生に相談してみましょう。治らない病気とはかぎりませんし、他の病気が見つかることもあります。

また、アルツハイマー型認知症には根本的な治療法はありませんが、近年生活習慣病、特に中年期以降の高血圧、糖尿病、脂質異常症が発症の原因、危険因子となることが明らかになっており、生活習慣病の予防が心・脳血管障害の発症予防のみならず、脳血管性認知症やアルツハイマー型認知症の発症、進行予防に有効であると考えられています。

具体的な方法・頻度・期間については未確定ではありますが、中等度の有酸素運動を1 日30~40 分,週3日以上継続することが推奨されています。適度な運動は生活習慣病の予防にもつながります。要介護状態を予防するために、包括的な健康診断を受けながらかかりつけの先生とともに日常生活に制限のない期間(健康寿命)の延長に努めていきましょう。

 

【Profile】

菱澤 美貴(ひしざわ みき)

日本神経学会認定神経内科専門医

日本内科学会総合内科専門医

 

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