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「 心臓の機能 学び深める」京大循環器内科との勉強会(Kyoto Expert Meeting 2018)を初開催!

京都大原記念病院グループが4月に開設した新病院・京都近衛リハビリテーション病院は、8月31日(金)に京都大学大学院医学研究科循環器内科学(以下、京大循環器内科)との合同勉強会 Kyoto Expert Meeting 2018 を初めて開催しました。

勉強会は、同病院が至近にある京大との連携や情報交換を深める一環として開かれました。京大循環器内科の加藤貴雄医師、同じく吉澤尚志医師を招き講演いただきました。同グループの医師、看護師、療法士ら約70名が聴講。座長を務めた同病院の岡伸幸院長はあいさつで「(講演内容は)当院の入院患者に多い脳卒中とは切り離せない疾患」と、勉強会の意義を語りました。

 

第一講演は吉澤医師による「心房細動・冠動脈ステント留置患者における抗血栓療法~抗血栓薬 最近の話題~」と題した心房細動についての話でした。心房細動とは心房全体が小刻みに震え、正しい収縮と拡張ができなくなる不整脈です。血流がよどみ血栓ができると、時に脳梗塞(心原性脳塞栓症)の原因となります。吉澤医師は、「高齢化に伴って有病率は高まります。また肥満、血圧コントロール、高尿酸血症などの生活習慣も影響を及ぼします。有病者の脳梗塞発症リスクは5倍に高まります」とし、「なるべく早期に発見し、より適切な抗凝固療法を実施していくことが大切と考えます」と考え方を示しました。

また、京大循環器内科ではカテーテルアブレーション治療の実施症例数が2017年は全国17位となり通算2000例を達成したことや、この治療により脳梗塞予防、心不全の進展抑制につなげられないか研究に邁進したいとの展望が示されました。

加藤医師の講演では「慢性心不全合併患者における病棟管理のポイント」と題し慢性心不全について、最新の知見の紹介がありました。慢性心不全入院患者のADL(日常生活動作)低下による入院の長期化、高い再入院率などが社会問題化しています。今年度、地域医療計画が見直され、心血管疾患の回復期、慢性期の医療体制の構築や、慢性心不全の再入院予防の観点も政策的に盛り込まれました。各ステージ連携のもと、在宅生活へ繋げていくことがより一層求められますが、具体的な道筋は示されず循環器内科医の悩みの種ともなっています。再発の原因は、塩分制限、感染症、過労、治療薬服用の不徹底、ストレスと病気以外のことも多くあります。良い状態を維持し、増悪時の適切な対処をするマネジメントが大切となります。最近、血圧、体重、脈拍、体温などの情報が、自宅等の患者から医療従事者に送られるテレモニタリングシステムの導入により心不全患者の転帰改善につながったと注目されています。このすばらしい効果は実は看護師から週1回電話を入れる効果と同程度であり、医療機関のコンタクト、現場での指導が重要と考えています。

参加者からは「回復期入院患者にも心不全患者は多く、適切な負荷量の考え方について教えてほしい」といった質問があがり「詳細は主治医の見解となることは前提に、シンプルであるが、体重を毎日測り、また普段から動かし続けておくべきと考えられる。それから症状が悪くなるようであれば負荷量の調整は必要となるだろう。」との回答がありました。

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