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【外部発表のご紹介】実績指数調査について~回復期病棟新規開設の視点から~

日々提供するリハビリテーション医療がより良いものとなるよう、様々なテーマで各職種が研鑽に努め、学会などでの外部発表などに取り組んでいます。本日はその一例として当院の理学療法士が発表した「 実績指数算出にかかる除外選定の妥当性 」をテーマとした演題をご紹介します。一層、回復期リハビリテーション病棟としての適切な運営につなげていけるよう開設から1年間の実績データに基づき振り返り検証しました。

 

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実績指数調査について~回復期病棟新規開設の視点から~

 

  • 根耒 亨次(ねごろこうじ) 京都近衛リハビリテーション病院 理学療法士
  • 2019年11月リハビリテーション・ケア合同研究大会

※各画像はクリックで拡大表示されます。

回復期リハビリテーション病棟(回リハ病棟)では、2016年4月の診療報酬改定で「アウトカム評価」の仕組みが導入され「成果(実績指数)」が明確に求められるようになりました。入院患者の日常生活自立度を示すFIM(Functional Independence Measure)がどの程度の期間で改善したかを指標とし、効率的な効果の発揮が求められています。

 

一方で回リハ病棟入院患者様の背景は様々です。必ずしも効率的な(短期間での)効果の発揮ではなく、じっくりと時間をかけて取り組むべきケースや、退院支援の長期化が見込まれるケースなどが存在します。目先の効果の発揮ではなく、多様な背景をもつ患者様を適切に支援するため、一定の基準に当てはまる場合は実績指数の計算対象から一部を除外することができます(除外選定)。

京都近衛リハビリテーション病院では、2018年4月の開院以降、そうした背景を多角的に状態を捉えて、適切な支援をするため医師を中心に多職種が連携し「初回カンファレンス」「Rhリーダーミーティング」「病棟ミーティング」「アウトカムミーティング」と段階を踏んで除外選定を行っています(図)。本研究のテーマはその「妥当性」の検証です。

2018年4月開設~2019年3月までの退院患者291名(※)を、対照群と除外群(除外選定で選ばれた方)に分けて検証しました。すると双方でリハビリテーションを提供したことによる改善と、運動機能の日常生活自立度の改善には有意な相関が認められ、効率的な改善が望ましい方を選定していたことが確認できました。一方で、リハビリテーションを提供したことによる改善と、入院期間についての関係性を検証すると、除外群において有意な相関がみられませんでした。

以上の結果から、基本的にリハビリテーションの効果が見込める患者を対象としながらも、多職種で多角的に患者様の背景を捉えて適宜除外選定していることが確認できました。

当院の除外選定においては一定「妥当性がある」ものと考えます。

こうした選定がかなうのは、医師の積極的関与を基本に、多職種のチームがそれぞれの専門的視点から患者様と接し、退院後の生活がよりよいものとなることを目指す視点が活かされているものと考えます。本院である、京都大原記念病院で培ってきたものが、当院でも実践できていることが確認できました。これを機に、一層、患者様に寄り添い、充実した支援ができるよう取り組んで行きます。

 

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