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ドクター登場!久保元則医師「認知について」

2020年10月に着任された久保元則医師によるコラムをご紹介します。

「認知について」

はじめまして。私は回復期リハビリテーション病棟での診療に非常に興味を持ち、現在も先生方をはじめ、多くのスタッフ、患者様から日々学ばせていただいております。

回復期リハビリテーション病棟は急性期病院で全身状態が落ち着いている患者さんにリハビリテーション治療を行い、自宅・社会に復帰するための病院です。しかしながら併存疾患が多い、または重症で介助が多い患者様も多数転院されてきます。その中で認知機能が低下している患者さんも多数いらっしゃいます。

認知とは広辞苑によると、事象について知ること、ないし知識を持つこととされています。少しわかりにくいので厚生労働省の健康情報サイトで調べてみますと認知とは理解、判断、論理などの知的機能のこととされています。精神医学的な観点では知能、心理学的な観点からは知覚・判断・推論・記憶・言語理解があります。認知機能低下の原因の多くは脳の細胞が変性したり脳虚血が生じた後に起こることが多いです。その他の原因で脳腫瘍、慢性硬膜下血腫、正常圧水頭症、甲状腺機能低下症、ビタミン欠乏症が挙げられますが、これらによる認知機能の低下については治療可能なものもあるため早期に発見し治療を行うことが重要とされています。具体的には頭部画像の確認、転倒歴の有無、排尿障害の評価、食事摂取量、血液検査などの初期評価である程度評価することができます。治療可能な認知機能低下の原因を早期診断し適切な治療を行えばその後のリハビリテーション治療が有効になり活動量が増えてくるかと考えます。今後も患者さんが自宅復帰できるように適切な治療を行い元気な高齢者の方が増えることを願っております。

 

久保元則

Motonori Kubo

  • 【学会】
  • 日本リハビリテーション医学会
  • 日本摂食嚥下リハビリテーション学会

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