お知らせ

広がる地域医療連携の輪。京大病院との症例報告会を初開催!

9月20日、京都大学医学部附属病院(以下、京大病院)と京都大原記念病院グループが症例報告会を開催した。当グループは、連携している急性期病院と定期的に症例報告会を行い、情報共有と相互理解の強化に努めている。京大病院とは今回が初めて。   京都大原記念病院院長の垣田が、「急性期の皆さんに、回復期転院後の患者さんがどのように経過しているかを知っていただく機会としたい」と挨拶。取り上げた2症例とも、京大病院・当グループの双方から報告を行った。   1例目は、京都大原記念病院に入院した痙攣重積発作の30代・男性患者。重度の右麻痺、同名性半盲、失語症を生じたが、社会復帰を目指して介入した症例。   2例目は、京都近衛リハビリテーション病院に入院した脳幹出血の50代・男性患者。重度の後遺症を来したが、ADL能力再獲得と自宅退院に向けて、急性期から回復期、そして生活期へと密な連携を行った症例。   京大病院脳神経外科 講師の吉田和道先生より「我々急性期の(特に外来を担当していない若い)医師は、患者様の退院後の様子を知る機会が少ない。回復期・在宅を知らずして、急性期も外来も出来ない、と改めて感じた。この症例報告会は今後も定期開催して、ますますface to faceの関係を構築していきたい」との挨拶があり、会を結んだ。  

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【外部発表のご紹介】第25回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会で発表!(根本玲医師)

9月6-7日新潟市朱鷺メッセで開催されました、第25回日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会に参加しました。前勤務地で経験した症例で、「強直性脊椎骨増殖症による摂食嚥下障害に対して摂食嚥下機能改善術とリハビリテーション治療を行った1例」を演題発表させていただきました。 以下、要約です。強直性脊椎骨増殖症で生じた頚椎の骨化巣により、摂食嚥下障害が生じ、数年間、代償方法を行ったにも関わらず誤嚥性肺炎を繰り返していました。経口摂取の希望があったため、摂食嚥下機能向上目的に紹介されました。術前検査の結果で、咽頭と食道に慢性炎症を起こしていたと考え、整形外科だけでなく耳鼻咽喉科も同時に外科的治療を行いました。手術だけでなく、術前後にリハビリテーション治療をしっかりと行うことで、最終的には普通食の経口摂取が可能になりました。 摂食嚥下障害には脳血管疾患だけではなく、神経や筋肉による疾患、舌やのどの疾患など様々な原因があります。しかし、多くはリハビリテーション治療を受けることで、安全に食べることができます。飲み込みにくい、ご飯が食べられないことで悩んでおられる方がいましたら、いつでもお声をかけてください。 [caption id="attachment_367" align="alignnone" width="240"] 写真左から、根本玲医師(本人)、田村さちこ看護師[/caption]  

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ドクター登場!根本 玲医師(リハビリテーション科) 運動の効果

今春、着任された根本玲医師(リハビリテーション科)のコラムをご紹介します。 運動の効果 風がとても涼しい季節になってきました。秋といえば、何を連想しますか。食べ物、山、芸術、読書、紅葉などと尽きません。私はいつもスポーツの秋を連想します。先日、車いすバスケットボールに触れる機会がありました。腕と上半身だけでバスケットをすることの大変さを実感したと同時に、車いすでもスポーツを楽しめることがわかりました。 今月のテーマは「運動」です。リハビリテーションで最も不可欠な点であり、皆さんが運動が好きでも、そうでなくても生きるのに避けて通れない身体活動です。 ここで質問です。「もし、あなたが1週間ずっと布団の中にいたら、身体にどのような影響をもたらすでしょうか?」。答えは一つではありません。頭がぼーっとする、体がしんどくなる、食欲がなくなる、骨がもろくなる、筋肉が落ちる、肌が荒れる、など様々な影響をもたらします。さらに、1週間布団の中でずっと寝ていると、筋肉は15%低下すると言われています。また、1日ずっと寝るだけで1~3%の筋肉が落ちます。驚きですよね。 むやみに安静にベッドの上になってはいけないことがわかります。病気になっても最低限、ベッドから出て歩くよう心掛けが必要です。ベッドから起き上がれない場合は、ベッドの上で自分でストレッチをするだけでも変わりますし、家族や知人にストレッチをしてもらうだけでも身体に及ぼす影響は良くなります。 また、運動の他に、失った筋肉を身につけるには、どうしたらいいでしょうか。筋肉の成分であるタンパク質(魚、肉、卵、乳製品、大豆製品など)を、私たちは1日に体重1kgにつき1.0~1.5g摂取するよう推奨されています(例:体重50㎏では、50~75gのタンパク質が必要)。目安として、卵や豆腐1個で6g、鶏肉300gで48g、お刺身90gで23gのタンパク質が含まれています。もちろん、タンパク質だけ摂るのではなく、炭水化物や脂質、ビタミンなどもしっかりと摂って初めて筋肉がつきます。 筋肉を失うのは簡単ですが、作るのは簡単ではありません。そのためには最低限、ベッドから起き上がって歩き、食事をしっかりと摂っていきましょう。 ストレッチ方法や栄養の摂り方については、ご遠慮なくスタッフにお声をかけてください。

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急性期病棟におけるリハビリテーション関連専門職研修会に参加しました!(近衛)

8月10日、11日に国立京都国際会館で開催された急性期病棟におけるリハビリテーション関連専門職研修会に参加しました。日本リハビリテーション医学教育推進機構(以下、機構)の久保俊一理事長をはじめとした、日本を代表される先生方の全19の講義に参加しました。 研修会ではまず、久保俊一理事長によりリハビリテーション医学・医療を「機能回復・障害克服・活動の育成」と再定義され、機構によるリハビリ医学の教育の必要性を説かれました。今回の研修会はその教育企画第一弾として開催されました。講義では最新の廃用による生理学的作用の説明や、早期に運動療法を開始することによる患者様の退院時の身体能力の違いを、和歌山県立医科大学をはじめとした急性期病院でのケーススタディを通じて学びました。 また、行政面からリハビリテーションを取り巻く医療体制の移行についての話題もされました。超高齢社会、とりわけ2025年問題にむけて、在宅医療・介護保険へのシフトチェンジが促され、急性期・回復期ともに在院日数の短縮により、一層リハビリテーションの質の向上が要求される時代へと移行しているとの内容でした。 今回の研修は、急性期リハビリテーションを中心とした内容となっていましたが、前述の医療体制の変化により、回復期病院においても亜急性期(急性期と回復期の狭間)の症例もすることが増えており、リスク管理を含めて適切且つ効率的なリハビリの提供を学べる機会となりました。今回得た学びを患者様へと還元できるよう精進してまいります。 (理学療法士Y) ■日本リハビリテーション医学教育推進機構ウェブサイト(こちら)

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京都五山送り火 鑑賞会を開催しました。

8月16日、ご先祖の霊をお送りする意味を持つ、京都の夏の伝統行事「 京都五山送り火 」が開催されました。 最初に点火される「右大文字」を、東側正面に臨む場所に京都近衛リハビリテーション病院は位置します。 当日は、入院中の患者様とともにお見舞いに来られた家族様にもこのひと時をともにしていただきたいと、屋上を開放して鑑賞会を開催しました。 前日までの台風がすぎ去り、心地よい風が吹く中で、ほんの少し京都の夏を感じていただける時間となったようです。このひと時が、リハビリ訓練のモチベーションにつながっていくことを願っています。

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ここにも届いた大原の風。赤シソ摘み取りイベントを開催しました!

京都近衛リハビリテーション病院の患者様に赤シソのもぎ取りに取り組んでいただきました。本院の京都大原記念病院の敷地で前日に獲れたもの。総勢15名の患者様が参加され、約30分間であっという間に赤シソの葉 約3㎏が摘み取りされました。 赤シソは大原の名産品。2018年4月、街中の新拠点として開院した同院でも、グループのルーツである大原を感じていただきたいとイベント開催しました。 リハビリ訓練の合間の時間で、手や指先の運動もかねて取り組まれました。活動が始まると、赤シソ特有のさわやかな香りがあたりを包み、リハビリを終えた患者様が立ち止まる姿もちらほら。参加者には、普段と異なり積極的に活動に参加される様子を見せてくださる方や、葉を摘み取っては香りを楽しまれる方もいらっしゃいました。近衛の地にも、グループのルーツである「大原」のさわやかな風をお届けすることができる機会になったように思います。 今回、摘み取った赤シソは翌日昼食のデザートに、赤シソゼリーとしてお出ししました。「さっぱりと甘くておいしい」と風味もしっかりと楽しんでいただけたご様子でした。 ■ 農業とリハビリテーションの融合_グリーン・ファーム・リハビリテーション® 詳しくはこちら(京都大原記念病院ウェブサイト)

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人財育成研修会 『患者様の心に触れるおもてなし』を開催!

6月21日、京都近衛リハビリテーション病院にて、「患者様の心に触れるおもてなし」と題して人財育成研修が行われました。わたしたちは日々患者様やご家族と接していますが、時としてその対応に苦慮することがあります。今回、元国際線客室乗務員である窪田美加氏(ファーストクラス担当)をお迎えし、様々な状況・環境・立場のお客様と接して来られた経験から「おもてなし」という観点でお話いただき、今後の接遇に活かせるヒントを得ようと研修が企画されました。 「おもてなしをする上で何より大切なのは、目に見えない気持ち」、「大切なお客様を自宅にお迎えする気持ちで、目に見えているところだけでなく目に見えていないところでも心を込めて丁寧に」と実演を交えてお話いただいた他、おもてなしの気持ちが生んだ心温まるエピソードも紹介され、心動かされた職員が涙を浮かべる場面もありました。 一方で、「相手を思っての行動であっても意図が伝わらなかったがゆえにお叱りを受けることがあった」という実体験を紹介され、何をするにも相手を思いやる気持ちで行うことが大前提とした上で、「その行動の理由もきちんと言葉にして伝えることが大切なポイント」と円滑なコミュニケーションを図るコツもお話くださいました。 今後は、大原での実施も含めグループ全体で取り組む予定です。実際に苦慮したケースを挙げて「どうすれば良かったのか、おもてなしの気持ちを込めるとどのような対応になるのか」を検討し、現場接遇力の向上を目指します。  

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第56回日本リハビリテーション医学会 に参加しました!

6月12日から神戸で開催された第56回日本リハビリテーション医学会に参加しました。数あるプログラムの中で、主には教育講演とシンポジウムを受講し、また企業展示なども視察しました。 教育講演では「回復期リハビリ―テーションの現状と展望」をテーマとした講演がありました。平成28(2016)年の診療報酬改定でFIM※によるアウトカム評価が導入され、より一層「量」より「質」が求められるようになりました。これを節目に、療法士のADL向上に対する意識が向上したことを伺わせる内容も聞くことができました。 また、「栄養管理」の話も興味深いものがありました。リハビリ専門職としての知識・技術を向上させるだけでなく、FIMなどの病棟内での生活状況について細かく丁寧に観察することや栄養に対する知識を向上させチームで共有することが大切だと思いました。 企業展示では3次元動作解析装置やGS kneeなどを見学して、科学技術の進歩に伴い、治療技術の効率化を図るためにも、そのような機器の知識や評価技術の向上が必要と思いました。 今回、日本リハビリテーション医学会への参加したことをこれからの業務に活かし頑張っていきたいと思います。 (理学療法士Y) ※FIMとは?  機能生活自立度評価表(Functional Independence Measure)の頭文字をとったものであり、日常生活動作(ADL)の評価法の一つです。食事・移動・排泄などの「運動ADL」13項目とコミュニケーション力などの「認知ADL」5項目の計18項目、各項目7点満点の合計126点満点で構成され「実際にしている」状態を評価します。   ■当学会にはグループ内からも多数参加しました。 ●京都大原記念病院  理学療法士 S  詳しくはこちら ●御所南リハビリテーションクリニック 理学療法士S 詳しくはこちら

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【医療関係者の皆さまへ】 当院 岡伸幸 院長が「GSK難病治療セミナー」で講演いたします。

グラクソ・スミスクライン㈱主催のWeb講演会「GSK難病治療セミナー-ヌーカラEGPA Web講演会-」にて、京都近衛リハビリテーション病院 院長 岡伸幸 医師が講演いたします。   【日時】 6月27日(木)19:00~19:30   【タイトル】 末梢神経障害の側面からみるEGPAの病理、診断   【演者Profile】 岡伸幸(おかのぶゆき) 京都大学医学部卒 日本神経学会認定 専門医 指導医 日本内科学会認定医 日本神経病理学会評議員 日本末梢神経学会評議員 京都大学臨床教授 非常勤講師 兵庫医科大学 非常勤講師 医学博士   ◆本講演会の視聴方法等、詳細はこちら(グラクソ・スミスクライン㈱ウェブサイト)

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【外部発表のご紹介】多職種のチームで連携し、症状の悪化を防ぐことができた症例

日々提供するリハビリテーション医療がより良いものとなるよう、様々なテーマで各職種が研鑽に努め、学会などでの外部発表などに取り組んでいます。本日はその一例として当院の看護師(所属は発表当時)が発表した「 NICD(生活行動回復看護) 」をテーマとした演題をご紹介します。多職種のチームで連携し、症状の悪化を防ぐことができた症例について報告しています。   ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 肺野への微振動を与えることの効果について ~重症肺炎にチームで取り組んだ一症例~   吉田実紅(京都大原記念病院 看護師)※研究当時の所属 第14回日本ヒューマン・ナーシング研究学会 2018年10月   はじめに 重症肺炎、無気肺※1を発症し人工呼吸器を装着された患者Aさん(50代後半・男性)に対し、肺本来の機能や仕組みの復活を期待し、肺への微振動を実施しました。今回はNICDを導入し、看護計画にもとづいて気道の浄化を積極的にし、また療法士との呼吸理学療法や、多職種チームでのアプローチを実践したことにより症状の悪化を妨げた症例を経験しましたので報告します。   生活行動を自立へと導くNICD(生活行動回復看護) 患者様のできることを引き出す 症例は当初、脳出血後遺症のリハビリテーション(以下、リハビリ)を目的として入院されましたが、胆のう炎を併発したことから、一時転院となり、治療を経て再度リハビリ目的で入院されました。再入院当時、両側肺炎、無気肺※1となっていたことから、人工呼吸器を装着することとなりました。主治医からは薬物治療、呼吸理学療法と同時にNICD※2開始の許可が出ました。 NICD※2導入にあたり、まず患者家族へは技術の内容と何らかの悪化のきざしを認めた場合はただちに中止し、主治医が対応することを説明、同意を得て、2017年4月~2017年8月の間に実施することとしました。 個別メニューを作成し、NICD※2研修を受講した看護師を中心に理論や実技について病棟内の他スタッフを指導、共有し、統一してできる準備をしました。リハビリを実施する時間を固定し、呼吸理学療法の研修を受けた、もしくは実施経験のある療法士によるリハビリとNICD※2を1日のケア計画の中で効果的に実施できるよう調整しました。受持ち看護師が主体となり、複数人のスタッフで呼吸状態等に注意しながら実施するなど安全面に配慮しながら取り組みました。   安全に最大限配慮し、 バランスボールを用いて微振動を実施 具体的な個別メニューは以下の通りです。 バランスボールを用いて、股関節や骨盤底筋群※3を柔軟にした後、頭の位置を調整して体幹の並びを整え※4、座る姿勢への体位変換の準備をする(図1) [caption id="attachment_285" align="alignnone" width="300"] 図1[/caption] 胸郭運動に必要な胸の筋肉にバランスボールを用いた微振動により刺激を与える(図2) [caption id="attachment_286" align="alignnone" width="300"] 図2[/caption] 半腹臥位に変え※5、バランスボールを用いて背中から微振動により刺激を与える(図3) [caption id="attachment_287" align="alignnone" width="300"] 図3[/caption] 3.の姿勢で、足の裏へも同様に微振動を行い脳へ刺激を与える(図4) [caption id="attachment_288" align="alignnone" width="300"] 図4[/caption] 入院時、A氏は両側肺炎と無気肺※1の状態で他の呼吸疾患も併発されていました。当時の検査では、白血球数が異常値(WBC※6 12,400/µL・成人の基準値:4,000~9,000/µL)を示し、また必要な栄養素が不足している状態(アルブミン値2.7・低栄養)でした。 入院3日目からNICD※2の介入は入院3日目から開始し、療法士による呼吸理学療法と同時にバランスボールによる微振動を実施しました。 入院5日目には個別メニューを作成し、病棟スタッフ間で共有し、以降は毎日実施しました。 こうした経過を経て、入院8日目には無気肺※1が改善され、2週間目には人工呼吸器を離脱、インスピロン※7へ変更することとなりました。この時点での白血球数(WBC※5 )7,200/µL、アルブミン値 3.2、血中の酸素濃度を示すSpO2 は100%となりました。白血球数、血中の酸素濃度はいずれも正常値内。栄養状態も低い水準ではありましたが改善が見られました。   苦手意識もあったが、正しく状態を理解し、 チームでアプローチした結果状態は改善 呼吸には基本的に重力に拮抗した姿勢(直立)を保つことが一番いいとの報告があります。寝かせきりになると呼吸機能の低下は避けられません。今回のように人工呼吸器を装着されている場合などは特にできるだけ背面 を支持しない空間をつくることが呼吸を助けることになります。 また、急激に状態が悪化した時に呼吸ケアを早期、かつ様々な職種がチームとして介入することで、たとえ人工呼吸器装着となっても早期の離脱や二次的障害発生率が下がり、入院日数の短縮が図れたとの報告もなされています。 これまでは人工呼吸器に対し、苦手意識や体を動かすことへの恐怖があり積極的に介入できませんでした。しかし、今回の症例では看護師が中心となって状態を理解し、早期段階から背部への微振動や、療法士らと協同で呼吸理学療法を実施できました。その結果、酸素化が良好となり、痰の排出を促すことで気道の浄化を効果的に行うことができました。また、経鼻チューブからの栄養投与を続けたことで栄養状態が改善し、水分補給もできたことで痰がベタつかず吸引しやすい状態であったことから気道を清潔にすることが出来ました。 治療の効果に加え、早期介入により、血液に酸素が取り込まれやすくなり、無気肺※1の改善と約2週間での人工呼吸器離脱を果たすことができました。チームで集中的に介入し、的確に呼吸状態を観察、評価しながら、呼吸の介助とNICD※2を計画的に実践したことが状態の改善につながったと考えています。   より一層、チームで取り組む NICDの実践へ 看護師は患者の身体の仕組みを知ったうえで障害された機能を代償する・改善できる方法を探します。保健師助産師看護師法では、看護師の業務は「 診療の補助と身の周りの世話 」とされています。これをどのように行うかは自分たちがしっかり考え、実践しなければなりません。私たち看護師の目や手はそれを見つけ、手当てするためにあります。今後、ますますNICD※2により身体の状態が改善され、苦痛から解放される患者さんを増やしていくためチームで取り組んでいきたいと思います。   抄録はこちら ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ※1:無気肺 空気をうまく取り込むことができず、肺がつぶれてしまっている状態   ※2:NICD(Nursing to Independence for the Consciousness disorder And the Disuse syndrome PAtient) 看護手技の一つで患者の生活行動回復看護と定義されています。主に寝たきりや、廃用症候群の患者様の身体的変化を生理学的、病理学的視点からアセスメントを行い、生活行動を自立へと導く、いわば患者様のできることを引き出すことを目指す看護です。   ※3:骨盤底筋群 骨盤を覆うように骨盤の底部分に位置する筋肉   ※4:体幹アライメント 姿勢分析や動作分析などを行なうときの指標・評価の対象。体幹アライメントの失調とは体幹(脊柱)にねじれや左右差があり垂直ラインが乱れている状態。麻痺側の筋緊張の低下から非麻痺側での過剰努力による固定が強まり、左右差がみられる。このために上手く非麻痺側上肢が使えず車椅子の自走や食事がとれなくなること。   ※5:半腹臥位 抱き枕に覆いかぶさるような姿勢(イラスト参照)。人工呼吸器を装着されていたため、体位変換は2人以上で行い気道確保の確認、気管挿管チューブの深さや位置、患者の表情や状態を確認しながら、同時に吸引の準備もして行いました。   ※6:WBC(white blood cell) 白血球数。個人差が大きく、また同じ人でも1日のうちに数値は大きく変動するが異常値時には様々な疾患が考えられる。高値の時に考えられる疾患に肺炎などがある。   (参考)基準値 成人 4,000~9,000/µL 小児 6,000~10,000/µL 幼児 6,000~18,000/µL 新生児 9,000~25,000/µL   ※7:インスピロン ベンチュリーマスクのことで、マスクのように装着して使用します。一定の酸素濃度を維持しながら酸素を送ることができる機器となります。  

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